「WEST EXPRESS 銀河」進化した“紀南コース”へ 和歌山全県でおもてなし 海側席を倍増

JR西日本は観光列車「WEST EXPRESS 銀河」を2022年10月〜2023年3月の期間、昨年度に続いて2年目となる京都駅〜新宮駅間の「紀南コース」で運行します。

JR西日本117系電車「WEST EXPRESS 銀河」(画像提供: JR西日本)
JR西日本117系電車「WEST EXPRESS 銀河」(画像提供: JR西日本)

車窓からのオーシャンビューを演出

往路は夜行列車の京都駅発・新宮駅行、復路は昼行列車の新宮駅発・京都駅行として期間中、各36本を運行します。今回も日本旅行(本社: 東京都中央区)が企画する旅行商品として発売され、銀河特設サイトからリンクする専用ページで2022年8月30日(火)から予約受付が行われます。2021年度の紀南コースは約3,000人の方が利用し、特に車窓からの美しい景観や地域の方々の“おもてなし”に対して高い満足度を得たとのことです。2022年度は利用者の声を踏まえ、より鉄道の旅を満喫できる充実した企画が用意されます。

雄大な太平洋の眺めを満喫できるスポットの魅力を高めるため、JR西日本はきのくに線沿線で地域との協働により景観改善活動を行いました。この取り組みと連動し、夜行・昼行列車とも2022年度から海側座席の設定が倍増し、より多くの方がオーシャンビューを楽しめるようになります。車両編成の向きを逆転して運行することが決まり、左右の座席配置が入れ替わることで実現したものです。

また、昼行列車は出発時刻が新宮駅9:50発となり、2021年度(12:00発)より約2時間早められます。停車駅に新たに紀伊田辺駅が追加され、おもてなし停車時間が拡大するほか、新大阪駅・京都駅の到着時間も約1時間半早まります。新幹線や特急列車との乗り継ぎにより新たに東京駅、博多駅、金沢駅まで当日中に到達することができ、より遠方からも利用しやすいダイヤとなります(時刻表、主な駅のおもてなし内容など詳細は下の図表を参照)。

【時刻表で解説】JR西日本 「WEST EXPRESS 銀河」 紀南コースで運行

「和歌山ラーメン」はテイクアウトに

各駅や車内でのおもてなしもさらにパワーアップします。和歌山全県を挙げた協力を得て新たなプランの設定や従来のプランの見直しを行い、リピーターでも楽しめる企画を充実させるとのことです。例えば、夜行列車の和歌山駅で用意される夜食の「和歌山ラーメン」はテイクアウトとなり、深夜の駅のホームの旅情を感じながら召し上がれる内容へとリニューアルされます。早朝の串本駅到着時には、名勝「橋杭岩(はしぐいいわ)」の日の出を鑑賞できるよう、季節に応じた時間設定が行われます。

昼行列車の車内では、4号車フリースペースで運行日ごとに沿線市町などによる地域の魅力紹介、名産品のふるまいなどが実施されます。周参見駅では1時間15分の停車時間を有意義に過ごせるよう、「道の駅」の出張販売、日帰り入浴、サイクリング体験など多彩なオプションが用意されます。

そのほか、新宮市、那智勝浦町などではオプションツアーや二次アクセスにより観光客の迎え入れ体制が整えられます。地域との連携も進められ、和歌山県の地元企業と合同で開発された新たな銀河オリジナル商品が発売されます。また、和歌山大学「きのくに線活性化プロジェクト」とのコラボも引き続き行われ、車窓から海が見える区間を掲載した「うみえるマップ」が配布されるほか、学生による沿線案内放送も毎日車内で実施されます。